こんにちは。品川シーサイドイーストタワー歯科の歯科医師、大森です。
急に歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたりしたのに、しばらくしたら落ち着いた(治った?)経験はありませんか?
今日はそんな歯の痛みや腫れについてのお話しです。
繰り返す歯の痛みや腫れの原因には以下のようなことが考えられます。
①歯ぐきの腫れ
普段からケアされている健康な歯ぐきであれば、疲れやストレスがあっても歯ぐきが腫れることはほとんどありません。
しかし歯周病の原因となる歯石などがすでに存在している場合、疲れやストレスで体の抵抗力が落ちると歯ぐきが腫れることがあります。
②歯が浮く
歯が浮いて、痛みが起きる原因は大きく2つあります。
1)ストレスが原因の歯ぎしりが続き、健康な歯が一時的に横方向に過度に揺らされて浮いてしまった場合。→咬み合わせを調整することで痛みが軽減します。
2)根の奥に膿が溜まったり、歯周病などの慢性炎症がある場合。
→通常は体の抵抗力で痛みを押さえ込めていても、ストレスや疲れで抵抗力が落ちるとバランスが崩れ、歯が浮くことがあります。歯の根の治療(いわゆる神経の治療)が必要となります。
③歯ぐきのおできが膨らむ
よく見る症状ですが、歯ぐきにできたおできは、痛みもないので放置されがちです。
しかし、歯ぐきのおできは噴火口にすぎず、その奥の骨の中に、歯が原因のマグマのような膿溜まりがあることがあります。
体調によって腫れたり引っ込んだりを繰り返すことがほとんどですが、できれば早期に根の治療(神経の治療)を行なった方がよい事が多いです。
④虫歯の痛みの再発
歯の神経の近くまで進行した深い虫歯や、一部神経などに達している虫歯は、体の抵抗力が落ちると急に痛くなることがあります。
⑥急な歯のぐらつき
歯周病は自覚症状がなく、こっそり進行していることがほとんどです。
軽いものは体の抵抗力で炎症を押さえ込んでいることが多いためほとんど痛みはありません。
末期の歯周病になると、ストレスや疲れで抵抗力が落ちたタイミングで一気に腫れて歯がグラグラになります。
ひどい場合は抜歯となることもあります。
繰り返す歯の痛みや歯茎の腫れはその時の体調やストレスに左右されることが多いとされています。
多くはストレスや疲れによって体の免疫力が低下した時に症状として表に出てきて、体調がよくなると痛みは落ち着きます。
ほとんどの方が落ち着くたびに「治った」と思ってしまい、また腫れや痛みが出ても「しばらく待てば治るのではないか」とついつい治療を先延ばしにしてしまいがちです。
しかし、放置を繰り返しているうちに、虫歯や歯周病はさらに悪化してしまいます。
痛みや腫れの繰り返しは、基本的にはどんなに待っても良い方に改善することはありません。
虫歯や歯周病の自然治癒は、ほとんど見込めないとされています。
さらに腫れや痛みがひどい時は麻酔が効きにくいため無痛治療が行いにくく、治療が痛いものとなってしまう事が多いです。
しかし痛みの症状がないときは麻酔がよく効くので、ほとんど無痛で治療が行えます。
つまり『痛い』から歯科医院に行くのではなく、『痛くならない』ために歯科医院に行く方が結果的に治療も痛くないというわけです。
歯の痛みや歯茎の腫れを経験している方は、ぜひ一度検診に来ていただき痛みや腫れの原因を調べてみませんか?